偽りのお金持ち

知人に、会社員時代毎月収60万円近くの給与とボーナスを得ていた老夫婦がいる。

その暮らしぶりは豪華で、お会いするたびにゴディバなど、「こんなのもらっていいのか?」というようなお菓子やお土産を頂戴した。

また、食事はほぼ外食、通販で何万円もするようなものをポンポン買っていたし、ローンで立派な家も建てていた(自宅があるのに、普段からホテルにたびたび宿泊)。

私も、相手がかなり年上ということもあり、普段自分などでは食べられないような食事(外食)をごちそうになることがあり、とにかく「あるところにはあるものだ」と思っていた。

が…定年退職ししばらく経った後、車を買い替えたいのだが○○の評判はどうか(ネットで調べてくれないか?)と、いわれたので、いちおう調べて情報を提供した。

しかし、なんとその車はコンパクトカー。それにも驚いたが、100万円近くはローンを組む、というのでさらに驚いた。ローン、私の大嫌いな借金だ。

「なぜ金利で損をするのにローンを組むのか?」とよくよく話を聞くと…
「実は、預貯金(財産)が100万円しかない」と言う。

これには非常に驚いた。彼らは「偽りのお金持ち」だったのだ。

恐ろしいことに、彼らは会社員時代毎月60万円近く+ボーナスをもらっていたのに、全て使っていた。

もちろん現在は、会社員のときのような収入などない。しかし、それでも暮らしぶりは変えられない(食費だけで月15万円以上)。で、この車の買い替えは、まさに足が出る瞬間!お金持ちだと思っていた彼らは、定年退職後1年足らずで、マイナスに転じるような家計だったのだ。

これが自分の配偶者だったら「車なんて買っている場合じゃない!」と、はり倒しているところだ。

彼らがいま持っている100万円は命金だろう。その先にあるのはローン、借金地獄しかない。話を聞くと、返せなくなったら?万が一病気で倒れたら?突発的な支出が生じたら?なんてことは考えていない(不安だというばかり)のに、正社員で働いてきたときと同じ感覚でローンを組もうとしている。

しかし相手は高齢。何十年もそうやって暮らしてきた人達だ。私のような若造が「生活、価値観を変えなければダメだ」などとはとても言えない。ましてや、自分のような消費しない生活など…(彼らの年金だけでも私なら足りて余りあるのだが)。

それでも何とか、「お金を節約したほうがよいのでは?」と言うと、
「我慢するのは嫌だ、いま良い目にあいたい」と言う。
(とはいえ、この夫婦、散財しまくっているが幸せそうではない。会うたびネガティブなことばかり言っているし、浪費も病的だ)

とりあえず、「仕事に就いていないならローンも保証人が必要だし、車は現金で買えるものを買う方が良いのではないか?」とは言っておいたが、今回の車の件がどうにかなっても他の浪費は止まないだろうし、赤字に転落する日は遠くない(なんせ定年後1年足らずで現在の状況だ)。

いくら正社員で高給取りでも、収支が赤字ならば貧乏人だ。同じ年月、手取り60万円で毎月全額使ってきた人より、手取り10万でも毎月数万貯め続けてきた人のほうが豊かな老後を過ごせるのは間違いない。
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posted by nonnco at 19:47 | 自由人の価値観 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする