海外生活は本当に安上がりなのか?

近頃、ろくな収入貯蓄がないにもかかわらず、「海外で働かずに暮らしたい」という声が多く、驚いている。

資産や年金を利用したり、生活費をバイトやネット収入で稼いだりしながら、物価の安い国で暮らす。もちろん、そうした生活スタイルは昔からあった。ひと昔前まではなら「沈没」、現在だと「外こもり」だろうか。

これらは、資産家や年金リタイア組のリッチな海外移住とは一線を画す。しかし、途上国での生活は、本当に「安い」のだろうか。よく考えてみてほしい。

物価の価格差を利用して移住する場合、タイ、マレーシア、ベトナム、インド、フィリピン、カンボジア、台湾あたりが有名所だろう。

現実には、シンガポールを台頭としてマレーシアなどのアジア圏は近年非常に発展してきており、昔と比べて物価が高くなっている。安宿自体も減っているし、安宿の価格も数倍になっている。

たとえばだが、タイで1日200〜500バーツ程度の安宿(ドミトリー)を利用しても月2万〜4.5万近くかかる。食事は屋台を利用したとしても1食50〜100バーツ月1.4〜3万。ビザ代(トリプル)60日×3回で9,000円。その他、交通費、雑費、なども見積もらなければならない。正直、頑張っても月7〜10万はかかる、というのが実感だ。

また、外国を放浪していても国籍が日本にあるのなら、年金(収入によっては免除)、健康保険(収入によっては7割減免)は支払わなければならないし、日本の住居拠点(実家等を頼れる場合を除いて)を維持したままなら、賃貸料または固定資産税等は発生する。

加えて、途上国は、暴動、戦争、デモ、円安、様々なリスクがある。日本人は犯罪に合うリスクも高い。ならば、途上国でも治安の良い地域へ、となると、今度はお金がかかる。治安の良い、お金のある人間の集まる地域やマンションとなると、途上国であっても生活費が月数十万〜数百万というケースがめずらしくない。

最低クラスの生活費を考えても、日本で最低限の暮らしをするよりずっと高くつく。なんせ、たとえ日本で普通に賃貸生活をしたとしても5万円あれば暮らせるのだから。漠然と、「物価の安い海外でなら安く良い生活ができるだろう」などという軽い考えで飛び立つことのないようにしたい。

もちろん、海外の自由な風に吹かれる解放感はプライスレスだ。しかし、海外で働かずに暮らせるのであれば、まず日本で働かずに暮らせる。そして、いまや途上国に対してですら、昔ほど円は強くないということを、理解しておくべきだろう。

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posted by nonnco at 17:22 | 海外移住について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする